みなさま。3月24日(日)に、第17回経済・財政・金融を読む会を開催しますので、ご案内させていただきます。
能登半島大地震が招いた悲惨な光景は、被災地が過疎化の急激に進んでいる地域であっただけに、人口減少社会の抱える問題を先取り的に浮かび上がらせています。老朽化したままの生活インフラ、崩壊寸前のコミュニティ、後継者のいない生業、増える空き家。都市部でも、人口減少は人手不足をさまざまの分野で顕在化させています。路線バスが運転手不足のために減便され、ホームヘルパーが確保できないという理由で小さな介護事業所が閉鎖され、作業員が集まらないために水道管の修理工事が進まない、といった事態が生まれています。
2040年には1100万人の労働力が不足し、経済のマイナス成長は避けられないとも予測されています。AIやロボットの導入による生産性の向上、あるいは外国人労働者の増大によって人手不足をカバーすることが提唱されていますが、そこには大きな壁や困難が待ち受けています。例えば、外国人労働者が、人権が尊重されず賃金も上がらない日本に来て働くことに魅力を感じなくなっているからです。また、政府の少子化対策も、子育て世帯への経済的支援の強化だけに力を入れていて、ジェンダー不平等の構造を変えていく取り組みが欠けています。
人口減少は日本だけの問題ではなく、中国をはじめ世界の多くの国が直面しつつある問題です。驚くべき経済成長を可能にした人口増大の時代は、終わりを迎えようとしています。それでは、人口減少に対応する社会をどのように構想すればよいのでしょうか。人口減少社会が抱える深刻で多岐にわたる問題を、議論したいと思います。(白川真澄)
第17回「経済・財政・金融を読む会」
- 日時:2024年3月24日(日) 13:30~16:30
- テキスト:原 俊彦『サピエンス減少』(2023年、岩波新書)、大西 広『「人口ゼロ」の資本論』(2023年、講談社+α新書)
- 報告:大河 慧さん
- 形式:オンラインでの会合/事前にお申込みください
- 参加費:無料
オンライン形式で行いますので、参加をご希望の方は下記のボタンよりお申し込みをお願いします。