論説

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  • 2024.09.01

極右台頭とガザ虐殺が二分するもの : 西欧民主主義はどこにいくのか?

コリン・コバヤシ 選挙後のフランス社会の地殻変動的危機  移民や外国人の姿を見かけることも少ないフランスの片田舎でも、排他主義的な極右を支持する人々の数が増えている。なぜなのだろうか? ヨーロッパは、地中海を挟んで、移民の流動的な流れが加速しているという背景はあるが、移民を見かけない地域まで、排他的 […]

  • 2024.07.01

ドイツにおける極右地方政権への道? ―欧州議会選挙を振り返る

木戸 衛一(大阪大学招へい教授) はじめに  2024年6月6~9日、欧州連合(EU)加盟27カ国で、第10回欧州議会選挙が実施された。周知のように、多くの国、なかでもフランス、ドイツ、オーストリアで「自国ファースト」の極右勢力が躍進した。  本来不戦共同体として始まったはずの欧州統合は、EU発足当 […]

  • 2024.05.27

新しい学生運動の爆発的出現とアメリカ帝国権力の動揺——パレスチナの復権と〈反ユダヤ主義〉狩りの無力化

武藤一羊      5月11日の朝、以下のニュースに出会った。 【ワシントン時事 5月11日】 バイデン米政権は10日、パレスチナ自治区ガザで戦闘を続けるイスラエル軍について、米国製武器を国際人道法に違反する形で使用していると「評価することが合理的だ」と指摘する報告書をまとめ、議会に提出した。 【朝 […]

  • 2024.03.20

「日本の経済成長が復活する」と大はしゃぎする人たち

 ――労働力不足時代の経済は、いかにあるべきか                          白川真澄 大企業の利益は過去最高を更新し、日経平均株価は急上昇し続けてバブル期の史上最高値まであと少しに迫る。その一方で、GDPは30年間の「長期停滞」の帰結としてドイツに抜かれて4位に転落し、実質賃金 […]

  • 2024.03.01

政党の財政基盤をめぐる新しい政治改革のために―公的助成と自主財源をめぐって

大井赤亥(広島工業大学非常勤講師) はじめに 2024年の政局は自民党の派閥裏金問題で幕を開け、1993年の政治改革から30年をへて、あらためて政治の刷新が問われる年となった。 裏金問題の発端は2022年11月の「しんぶん赤旗」による告発記事にさかのぼる。それによると、自民党の5派閥が開催してきた政 […]

  • 2023.12.24

ドイツはどこへ行くのか?

木戸衛一(大阪大学招へい教授) はじめに  カール・ヤスパース晩年の著作に、『連邦共和国はどこへ行くのか?―事実・危険・好機』(1966年)がある[1]。かつて反全体主義・反共主義の闘士だった彼はこの書で、西ドイツにおいて、民主主義から政党寡頭制への構造変化、さらには政党資金への国家補助や大連合政権 […]

  • 2023.12.10

支離滅裂の岸田「経済対策」

                                   白川真澄  岸田政権の支持率の低落がどうにも止まらない。マスコミの11月の世論調査では軒並み3割を切って(毎日:21%~NHK:29%)、危険水域に入った。この政権の先が長くないことを告げる。さらに、パーティ券裏金作り問題が追い打 […]

  • 2023.12.03

イスラエルによるジェノサイドの背景

                                   田浪亜央江 ◆イスラエルの政策の帰結としての〈10.7〉  私はこの10年あまりは、展望がまったく見えないパレスチナの状況下で、武装闘争とは異なる闘争のかたちとしてパレスチナ人が選び取っている、文化による闘争・抵抗に関心をもって、 […]

  • 2023.11.30

戦時下のロシア野党ヤブロコ

池田嘉郎 はじめに  2022年2月24日、ロシア政府がウクライナへの本格的な侵略に踏み切ったとき、侵攻に反対する人々の間で共有されたのが「ニェット・ヴァイニェ」、戦争に否を、という言葉であった。開戦後しばらくは建物の壁の落書きや、通りに出てきた人の手書きのプラカード、あるいはSNS上にこの言葉が広 […]

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