書評

  • 2024.10.01

書評:大野光明・小杉亮子・松井隆志編『社会運動史研究5 直接行動の想像力』(新曜社、2023年)

タイトル:世界認識としての直接行動 箱田徹(神戸大学) こんにち「直接行動」にはさまざまな切り口がありうるが、少なくとも社会思想の歴史を研究してきた筆者にとっては、このテーマは人間の殺傷という意味での対人暴力をめぐる論争と実践の歴史と切り離すことができない。つまり、対人暴力を含んだ直接行動の歴史であ […]

  • 2024.09.15

『絶望の中の希望』  そんなものあるのか な? (気になった本の紹介)

鶴田雅英(相談支援事業所ここん/原爆の図丸木美術館) PP研のサイトで何か書くことになりました。「結論がなくても、内容がしょうもなくても、そんなことはわかってるから」というPP研の運営委員の複数のみなさんのやさしい励ましを受けて、久しぶりにPP研のサイトに書かせてもらいます。 使いまわしている感があ […]

  • 2024.05.05

本の紹介 古沢広祐『今さらだけど「人新世」って? 知っておくべき地球史とヒトの大転換』

 WAVE出版、2024年、1600円+税 長澤淑夫  本書は、「人新世」を切り口として、幅広く、複眼的に人類史を論じた好著である。「地球環境の破壊といった外側からの異変とともに、さらに奥深い人間世界の変貌、一種の進化史的な変化として進行している」人新世は、複合的な変化(科学、技術、文化、経済)が驚 […]

  • 2024.04.17

『日本共産党の百年』を読む(書評対談 第2回 武藤一羊 X 白川真澄)

日本共産党の結党100年目に発刊された『日本共産党の百年』を、元党員の武藤一羊と白川真澄が、今後の期待を含め、批判的に読み解く 0:00:00 オープニング0:00:31 ①武藤一羊の場合0:25:49 ②白川真澄の場合0:40:33 戦後世界をどう捉えるのか0:44:25 ソ連崩壊=社会主義解体を […]

  • 2024.03.11

書評:市民の政治技術論として鶴見俊輔を読む

対象書籍:松井隆志『流されながら抵抗する社会運動―鶴見俊輔『日常的思想の可能性』を読み直す』(現代書館、2024年) 安藤丈将(大学教員) 近年、鶴見俊輔の著作の再読が進んでいる。歴史、哲学、社会学など異なる分野の研究者、ジャーナリストなどが鶴見に興味を示し、静かなブームともいえる状況が続いている。 […]

  • 2023.06.13

残日<読書>録 ③『東京裁判』・<戦争責任・戦後責任>の戦後史

――『東京裁判』(赤沢史郎)・『考証東京裁判』・『東京裁判研究』・『私たちと戦後責任』(3冊とも宇田川幸大著)を読む。                                  天野恵一  敗戦の翌年(1946年)5月3日にスタートした極東国際軍事裁判。この「東京裁判」の判決公判は1948年 […]

  • 2023.02.15

書評対談:天野恵一×白川真澄

池上 彰/佐藤 優『日本左翼史』(全3冊、講談社現代新書)  日本の左翼の元気のなさは、深刻である。左翼の運動と政治勢力は、なぜ、ここまで衰弱してきたのか。その欠陥や問題点を歴史的に直視し、再生への足がかりを見いだす作業が切実に求められている。しかし、日本の左翼の歴史について学んだり討論するのに役立 […]

  • 2022.12.31

残日<読書>録②「統一教会」と自民党・天皇主義右翼の奇妙なる関係

――中野昌弘「統一教会・自民党関係史」、櫻井義秀・中野尋子『統一教会』、櫻井義秀「戦後日本における二つの宗教右派運動」、塚田穂高『宗教と政治の転轍点』を読む 天野恵一 2022年7月8日11時半頃、奈良市で参院選の街頭演説中だった自民党の安倍晋三元首相が、山上徹也という男に手製の銃で撃たれ死亡。動機 […]

  • 2022.10.24

『社会運動史研究4 越境と連帯』

大野光明・小杉亮子・松井隆志編(新曜社)2300円+税・2022年刊行 本書が発刊されたことを知ったのは知人のSNSの投稿だった。SOLIDARITY、版画で描かれた力強い文字の連なりが目に飛び込んでくる表紙が目に留まった。しかしながら、「積読」状態の本に囲まれ、そのままになってしまっていた(ゴメン […]