【書評掲載】『プロメテウスの罠』/天野恵一

投稿日時 2012/4/30 10:36:53 | トピック: 論評

書評を掲載しました。
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『反「改憲」運動通信』第7期No.21(2012年4月4日号)
【原発を読む】『プロメテウスの罠』
朝日新聞特別報道部 著、学研パブリッシング 刊/1238円+税

天野恵一

 〈3・11原発震災〉から1年たつ今、この終わりなき「事故」をめぐる恐怖のドラマの〈真実〉を明らかにする作業が、さまざまになされている。

 インチキ操作報道づけの日々を生かされ続けてきた私たちは、あらためてなされる検証報道自体がインチキの上塗り、すなわちさらなる操作のためのものである可能性を充分に配慮しながらそれを受けとめ、検証報道自体を検証していかなければなるまい。もちろん私たちには、まったく手ぶらでその課題を果たすことは不可能だ。操作(インチキ)報道製造元の政府・マスコミがたれ流す情報の仲に、少しずつ存在する、その大きな操作に抗う質をもった情報を発見していく努力こそが必要なのである。たとえば、事故発生直後の菅首相(当時)の場あたり的で御都合主義な「イラカン」の対応が事態の混乱を拡大したという検証報道が、この間大量に流されているが、これはどの程度〈真実〉なのだろうか。
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