6月2日、ドイツ G8 対抗国際デモ@ロストックに参加して

投稿日時 2007/6/3 21:36:53 | トピック: G8ドイツ(2007年)

ドイツ、ロストックのG8対抗行動に参加している大屋さんからのレポートです。

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 WSF連絡会の大屋(@ドイツ)です。
 ドイツG8対抗行動初日(6月2日)の国際デモに参加してきました。もうすでにいくつか他の方の報告や情報提供が流されていますが、私の見聞した範囲でのことを報告しておきます。

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 2007年6月2日、ドイツで予定されるG8サミットに対抗する国際的なデモンストレーションが、開催地に近いロストック市で開催され、5万人が参加した。デモの到着地であるロストック港には最終的に8万人が集った(主催者発表、警察発表によれば2万5千人であるとのことである)。

 G8で論議される政策とその存在自体に疑問を突きつけるこのデモは、二箇所の出発地が設定され、午後1時より3時間ロストック市内を行進した。ドイツ国外から参加した国際NGOを先頭に、さまざまな社会運動体、ドイツの左翼諸党派、アナーキスト・アウトノミア活動家などの直接行動左派が、一体となっていた。印象的だったのは、直接行動派の部隊がデモ全体の中で2割から3割の規模を占めていたことである。

 途中一部の直接行動派が、多国籍企業の広告などを破壊したが、全般的にデモは平和的に行われた。

●デモ到着集会
 デモが到着するロストック港では、記念集会が開催された。ここでは7人の各界代表が登壇し、新自由主義、戦争、環境破壊、人種・移民差別、家父長制など、G8が主導する世界秩序のさまざまな問題点が指摘された。

 グリーンピース・ドイツの代表は、G8各国の温暖化にたいする無策や原子力開発の推進継続を批判した。ATTAC・ドイツからは、G8の推進する新自由主義的政策が、民営化による公共サービスの破壊や、金融資本の優遇をもたらしているとの非難があった。ドイツ政界からは、緑の党青年団や左翼党の連邦議会議員が演説した。直接行動派の代表は、テロを口実とする不法移民の取締りを批判し、すべての人間の平等な権利を訴えつつ、6月4日以降のサミット会場封鎖を訴えた。アフリカのNGO代表は、サミットのアフリカ支援策がアフリカの民衆のためのものではなく、その支援策で進出する多国籍企業の利益となるだけだと訴えた。

 とりわけ、フォーカス・オン・ザ・グローバル・サウスを代表して登壇したウォールデン・ベロー氏は、今回の対抗行動を二年前のグレンイーグルス・サミットでの対抗行動と比較し、ボノやボブ・ゲルドフなどのロックミュージシャンによってG8の問題点が誤魔化されることは今回はない、ここには2001年のジェノバ・サミット対抗行動の精神が正当に継承されている、と述べ、とりわけ大きな喝采を受けた。

●ドイツ警察の挑発
 しかし、この到着集会において、ドイツ当局の強硬姿勢も明らかとなった。

 デモの途上で行われた一部の破壊行為を理由にして、ドイツ警察はデモ隊全体に対して圧力を加え、午後3時にデモがロストック港に到着し始めると、集会会場を一時包囲した。NGO、社会運動、直接行動派が合同して構成されたデモ主催者は、デモ到着集会の開始を遅らせ、警察当局と交渉、午後4時半までに機動隊の包囲を解くことに成功した。

 だが、機動隊は部隊を分散させ、到着集会が行われている間も、ゲリラ的・波状的に挑発行為を繰り返した。一部活動家はこれに反発し、機動隊との小競り合いが発生した。(自動車が一台、この過程で放火された。)午後5時ころ、警察は放水車を集会会場に投入した。デモ主催者の代表は、到着集会の演壇上からマイクを使って、警察は挑発行為をやめるよう繰り返し勧告し、舞台裏では当局と交渉を続けた。

 この交渉過程で、警察は集会終了後午後6時から予定されていた音楽祭の中止を勧告した。しかし、デモ主催者は、音楽祭の続行を決断、この決定は、今回のデモを主催したNGO、社会運動団体、直接行動派などドイツの運動体の総意であると会場で宣言した。

 到着集会が終わった午後7時、音楽祭は決行された。機動隊は放水車とともに集会会場を包囲、デモ主催者は人間の鎖を会場の周囲に組織し、警察の突入を阻止した。午後10時、機動隊に包囲される中、音楽祭は平穏に終了した。

 こうした一連の動向を見る限り、ドイツ警察は今回のG8対抗行動を強圧的に取り締まるようである。集会に放水車を直接突入させるなど、運動全体に対するあからさまな弾圧姿勢は、ドイツの多様な運動体の反発をもたらすことであろう。

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大屋定晴
世界社会フォーラム連絡会事務局




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