<緊急声明>
安倍政権・原子力規制委員会は原発再稼働をやめ、
放射能汚染水漏れと被ばく労働の拡大を阻止する対策に専念せよ!
9月7日、安倍首相は国際オリンピック委員会(IOC)総会で2020年夏季五輪を東京に誘致するため、東京電力福島第一原発の汚染水問題について、「状況はコントロールされている」「福島第一原発の港湾内0.3平方キロメートルの範囲内で完全にブロックされている」と明言した。
しかし、放射能汚染水は「0.3平方キロメートル範囲で完全ブロック」などという状態ではまったくなく、海洋に垂れ流し状態である。それがまったくコントロール不能な恐るべき危機的状況に陥っていることは、他ならぬマスコミ報道によって、明々白々な事実として知らされているではないか。間違いなく安倍首相は、デマゴギーによって、東京へオリンピックを誘致したのである。公然と示されたこの破廉恥なウソへの正面からの批判もなく東京オリンピック万歳三唱をあおるマスコミ報道は、原発震災を引き起こし事故処理を怠ってきた東電と政府の責任を隠蔽するものである。
2011年12月16日に野田民主党政権は「事故収束」宣言を発した。その宣言を基礎にして、野田政権は2012年6月8日に「国民の生活を守るため」大飯原発を再稼働させるという方針を決定した。しかし、原発再稼働のそもそもの前提であった「事故収束」宣言がまったくの嘘であったという事実は、もはや誰の目にも明らかになった。原発再稼働こそ、人びとの生活破壊の元凶である。安倍政権も、この再稼働ありきの路線を突き進んできた。そして、この大嘘の上に、さらに「コントロールされている」という大きな嘘を上塗りしたのである。
この高濃度毒水の大量流出という事態は、原子力規制委員会自体が「重大な異常事象」と定義された「レベル3」相当の新しい事故であると認めている。レベル7の「深刻な事故」の上にプラスされた「レベル3」である。福島原発事故は「収束」どころか、さらに拡大し続けているのだ。こうした事態を作り出してしまった責任は、事故対策に「金も人も」きちんと投入しない東京電力に対策をまかせ続けて、平然とこの問題を見て見ぬふりをし続けてきた安倍政権と規制委にもあるのだ。その責任は重大である。新たな「規制基準」に汚染水対策などまったく盛りこまれていない事実、毒水の「海洋投棄」やむなしという田中規制委員長の態度が、その無責任さを象徴している。
安倍政権とマスコミは「被災地復興オリンピック」などと、勝手なイメージ操作を行っている。しかし、オリンピックへ向けた東京再開発のスタートは、被災地が必要な建築資材や労働力、そして莫大な予算を東京に集中させる、被災地置き去りの棄民政策の加速に過ぎないことは、あまりにも明らかではないか。
そして、放射能汚染の全面拡大は、そのまま事故に対処している労働者の被ばくの拡大である。五輪誘致や再稼働のために金や人を投入している時ではない。再稼働審査のために職員を増員している規制委は、これまでの無責任を反省し、そんな作業は直ちにストップして、被ばく拡大を阻止するための作業に、全力で取り組むべきである。安倍政権も同様だ。安倍首相は、世界に向かって発した歴史的な大嘘について、謝罪し撤回すると同時に、原発再稼働政策をストップし、東電に経済的責任を取らせ、解体し、放射能垂れ流しと被ばく労働の拡大をなんとしてでもストップさせる対策に専念すべきである。
安倍首相や田中委員長、あなたたちには、そうすべき責任が十二分にあるはずだ。
2013年9月15日 再び原発稼働ゼロとなる日に
福島原発事故緊急会議
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