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対象モジュール | 論説 |
件名 | ウクライナはこの戦争に勝てない―私たちは、プーチンに出口を与える道徳的な義務がある(ヤニス・バルファキス) |
要旨 | 以下の文章は、小倉利丸さんが翻訳・紹介してくれたヤニス・バロファキスのインタビュー「ウクライナはこの戦争に勝てない――私たちは、プーチンに出口を与える道徳的な義務がある」である。バロファキスはギリシャの経済学者で、2015年のギリシャ債務危機の最中にSYR... |
- Re: ウクライナはこの戦争に勝てない―私たちは、プーチンに出口を与える道徳的な義務がある(ヤニス・バルファキス)
- 投稿者: 中原桂一 投稿日時: 2022/4/16 22:38
- 「妥協」、「譲歩」は交渉において不可欠である。それはウクライナだけではなく、なによりも侵略者たるロシアが行う必要がある。それでなければ侵略者を利することになる。以下、ヤニス・バルファキスの回答についての感想。
1.「直ちに停戦」せよと言うが、条件抜きの停戦はロシアに無条件降伏するのと同様。そのようなことがどうしてできようか。
2.プーチンは「逃げ道」を求めているのではなく、獲物を求めているのだ。
3.平和を訴えるのは結構。では、どのような平和か。プーチンの平和とウクライナ民衆の求めている平和とは一致しない。市民虐殺で明らか。
4.「誰もが少し不満に思うような協定」とは、どのような内容か。互いに「少し不満」の協定を現時点でプーチンが承諾するとは思えない。戦いの結果次第である。
5.「中立」についてはウクライナが一定の案を提示している。それをロシアが承諾す れば、解決となるが、現実にはプーチンは占領地の恒久化、クリミアと全ドンバス地方の併合を求めている。朝鮮と同様に分割になるだろう。
6.戦争で大儲けする企業等が存在する。このような社会経済に反対し解体しなければならないが、今の時点でウクライナに送る武器を造るなと言うことにはならない。世界的な侵略構造の解体と全面完全の軍縮の道筋を付けることが不可欠である。
7.プーチンは究極的には緩衝地帯ではなく、大ロシアの中の属国を求めている。ウクライナは領土の「保全」とウクライナ国家の安全保障、自由で民主的なウクライナを求めている。これがベースにならなければならない。
8.「即時の平和とロシア軍の撤退、そして中立的で民主的なウクライナ」をロシアが認め、ウクライナの安全が関係国によって保証されれば、ウクライナの戦いが終わる。言うまでもないことである。