2007/6/7 23:01:09
G8ドイツ(2007年) : 6月4日、ドイツ G8 対抗行動@ロストックの状

 WSF連絡会の大屋です。

 6日のハイリンゲンダム・ブロックは、8千人から1万人が参加し、警察の阻止線を突破、会場周辺に設けられたフェンスに到達し、完全非暴力でG8への抗議を敢行しました。警察は、これを放水車で排除しようとしましたが、ATTACドイツなどの対抗行動ネットワークは「平和的な市民不服従活動に警察が暴力行為に出ている」といっせいに反発、フェンス前には現在も何人ものドイツ人が残っているそうです。

 現地の活動家は、この日の行動を完全な成功と考え、私が参加していたオルタナティブ・サミットの各会場でも、報告が入るたびに歓声が上がっていました。

 メルケル独首相は、陸路での移動をあきらめ、ベルリンからヘリコプターでサミット会場に入りました。


さて、4日についての報告を書きました。私の実感では、4日に「暴動」がおきたということはまったく感じられません。むしろ警察の過剰警備のほうが目に余ります。
 取り急ぎ。

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 G8サミットを控えたロストックでは4日、市内各所で抗議活動が行われている。警察の過剰警備も各所で見られる。

 また、日本の活動家の抗議行動も展開されるなど、日本からの参加者が次第に集まりはじめている。

●「移民のための行動日」
 対抗行動ネットワークは、4日を「移民のための行動日」と名づけた(参考:http://g8-migration.net.tf/)。

 ロストックが位置するメクレンブルク・フォアポンメルン州は、ドイツでもネオナチの活動が盛んな土地である。ネオナチ政党であるNPDが昨年6月の州議会選挙で得票率7.3%を獲得し、州議会に進出したという報道は記憶に新しい。1992年には、ロストック郊外のリヒテンハーゲンでベトナム系移民居住地が二日間にわたってネオナチの放火・破壊活動を受け、結局その地から移民が保護措置として強制移住させられた事件がおきている。(しかも、警察はこれに何の対応もせず、むしろ移民支援者が逮捕されたということである。詳細については記録映画「The truth lies inRostock」で見られるとのこと。https://video.indymedia.org/en/2006/06/392.shtml
でダウンロードできる。)

 G8対抗行動ネットワークは、こうした事実を踏まえて、合法・非合法にかかわらずすべての移民には人間としての平等な権利があると訴え、この日を設けた。組織者の一人であるバファカ氏は、EUによるアフリカ系移民に対する国境閉鎖は人間の移動する権利を奪う不当なものだと批判し、「移動の完全なる自由」を要求した。

 この日の午前中、リヒテンハーゲンやロストック外国人局前をはじめ、ロストック市内各所で分散的抗議活動が繰り広げられた。地元のLIDLという大手小売業支店前には、低賃金・劣悪な労働条件の下で働く途上国の女性労働者に依存することで、低廉な商品を確保しているとして、労組・農民運動関係者など数百人が集まった。

 午後になると、数千人(警察発表では8500人)が市内から港までデモ行進を行おうとしたが、警察に行進を阻まれた。(市内のデモ解散地である港には、それでも数千人が夕方までに集まっていた模様である。)

●警察の過剰警備
 この行進が阻まれたのは、産経新聞などの報道によれば、一部が「暴徒化」したからだとされる。

 しかし、現地からの報道によると、デモ隊は行進を数百メートルしたところで警察に阻止線を張られ、三時間近く包囲された。警察は放水車を投入し、解散を強要した。この過程で小競り合いが発生した可能性はあるが、現地の活動家からはこのデモはまったく平和的であり、警察の挑発行為こそ非難すべきとの意見が多い。(このデモには、現地にいた日本人参加者もいるので、そのうち報告があると思われる。)

 リヒテンハーゲンでも行進が阻止され、LIDLの抗議活動に対しては、警察が参加者の荷物検査を強要し、主催者が挑発をするなと訴える一幕があったとされる。(こうした一連の警察対応については、以下の報道参照。http://de.indymedia.org/2007/06/180883.shtml


 また、現地の活動家の話によれば、外国人局でのデモには、バイエルン州の機動隊が完全武装で殴りかかった。このデモ隊についていた弁護士二人が、このデモは非暴力的なものであり市民の権利として当然のことをしていると説明したが、警察は彼らにたいしても罵倒を浴びせた。挙句の果てに、同じデモを監視していたベルリン警察の部隊が間に入り、「君たちは警察官としてふさわしくない」と抗議し、バイエルン州の機動隊と言い争いになるという、滑稽な光景が見られたとのことである。

●日本政府関係者の滞在地での抗議行動、日本NGOフォーラムの到着
 ロストック郊外のヴァルネンミュンデでは、日本政府関係者が滞在する予定のホテルで、日本の若者ら10人前後が安倍政権の改憲姿勢、新自由主義的政策に抗議し、来年のG8開催について反対の声をあげた。この行動は平和的に行われ、その後抗議団はヴァルネンミュンデ近辺で街宣活動を行った。

 また、2008年G8サミットNGOフォーラムが、ドイツのNGO関係者と会合を開くなど、日本の参加者も次第に集まり始めている。

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大屋定晴
世界社会フォーラム連絡会

投稿者:toshi
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