「「反緊縮」を唱える見解の問題点」という表題の論文を以下に掲載しました。
「反緊縮」を唱える見解の問題点 2018・5 白川真澄
http://www.peoples-plan.org/jp/modules/article/index.php?content_id=200
筆者からのメッセージ…
「白川真澄です。松尾 匡さんが北田暁大・プレイディみかこさんとの対談本『そろそろ左派は〈経済〉を語ろう』という本を出しました。
プレイディみかこはイギリスの反緊縮運動に現場から優れたレポートをしている人ですが、北田は以前から脱成長論を罵倒する粗雑な議論をしてきました。松尾が「反緊縮」(消費増税と財政削減の緊縮政策に反対する)をアベノミクスに対する対抗軸として打ち出すことを提唱しています。この「反緊縮」は、「緩和マネー」(異次元金融緩和に支えられた借金)で社会保障への財政支出を拡大する、という相変わらずの主張とセットです(ただし、すでに「デフレでない状況」の到来で、賞味期限切れになるかもしれない、と言っているのが面白いですが)。わざわざ買って読むほどの本ではありませんが、松尾の議論を持ち上げる人間も散見されるので、「反緊縮」でアベノミクスと対抗するという主張に対する批判を書きました。関心のある方はご一読ください。
付け加えますと
1 松尾の議論にはいつもそうですが、急速な人口減少や企業のビジネスモデルの転換(海外で稼ぐ)といった構造的な変化のリアリティを組みこんだ議論が見られません。ケインズ主義に依拠した理論モデルを提示し、景気回復のためのマクロ経済政策の議論に終始しているのが、私には不思議です。
2 なお、「レフト1.0 → レフト2.0 → レフト3.0」という主張は、悪くないと思います。この見方は、リーマンショックを転機にして「階級闘争」的な要素(資本主義のもたらす巨大格差や貧困に対するたたかい、「反資本主義」や「社会主義」が叫ばれる)が民衆運動を新しく特徴づけている、という私たちの見方(『脱成長を豊かに生きる』第�部第1章)と合致しています。」
2018/5/20 21:51:11
投稿者:事務局
投稿された内容の著作権はコメントの投稿者に帰属します。
活動に参加しませんか
カテゴリー検索
新着ニュース
- サーバーメンテナンスのお知らせ
2022-9-21New!
- 第11回経済・財政・金融を読む会報告
2022-9-18New
- ■次回戦後研の案内
2022-9-16New
- 安倍元首相の「国葬」中止を求める署名
2022-8-24
- ■次回戦後研の案内
2022-8-20
- グローバル大学 第9回「南南フォーラム」報告
2022-8-18
- ■次回戦後研の案内
2022-7-19
- 次回PM研のお知らせ
2022-6-9
- 第11回経済・財政・金融を読む会
2022-6-9
- ■次回戦後研の案内
2022-5-29
- ■次回戦後研の案内
2022-5-4
- PARC自由学校2022 問い続ける者たち―アジアと日本の歴史から描く未来
2022-4-7
- ■次回戦後研の案内
2022-3-26
- 脱成長ミーティング
2022-3-19
- 次回戦後研のご案内
2022-3-16
- 第5回 ピープルズ・ムーブメント研究会(4月18日(月)19:00〜21:00)
2022-3-16
- 第10回経済・財政・金融を読む会
2022-3-10
- 事務所移転のお知らせ
2022-1-17
- 第9回経済・財政・金融を読む会
2022-1-10
- お詫びと訂正
2021-12-23