アジアのドキュメンタリー上映会報告
日時 8月3日 午後6時半から 『海南島で日本はなにをしたのか』の上映と
斉藤日出治さんのお話し。
場所 ピープルズ・プラン研究所会議室
今回で2回目となるドキュメンタリー映画の上映会は、「紀州鉱山の真実を明らかにする会」が制作した海南島における日本軍による虐殺問題を扱った『海南島で日本はなにをしたのか』の上映と、明らかにする会の斉藤日出治さんのお話しを聞く会として企画されました。参加者は12名でした。強制連行問題や従軍慰安婦問題にとりくんでいる方などが多く参加され、非常に熱心な議論がありました。「紀州鉱山の真実を明らかにする会」は、三重県熊野市の紀州鉱山の強制連行問題を明らかにする作業の過程で、紀州鉱山を開発した石原産業が、戦時中、中国の海南島の田独鉱山でも強制労働をさせている事実を知り、この10年間海南島調査をつづけてきました。この調査の過程で、朝鮮半島、中国本土や台湾から大量の人々が強制連行され、推定8万人が虐殺されていることなどが明らかになりました。
朝鮮半島から労働力として連れてこられた人たちは通称「朝鮮村」に住まわされ、彼ら多くが虐待され虐殺されましたが、誰が殺されたのかすら明らかになってません。島民もまた抗日ゲリラ掃討のために子供もふくめて多数が虐殺されているなど、次々に虐殺の真実が明らかになってきました。
今回上映したビデオは、虐殺で殺された人たちの遺骨の発掘現場のシーンからはじまり、当時の日本軍の虐殺の全体像の解説のほか、日本軍の虐殺現場を経験した生き残りの島民の人たちの口から直接日本兵による殺し、焼き、奪い尽くす有様が語られていきます。生き残った村民の多くは、親族を頃されており、「悲しくて、涙を流しすぎて目が悪くなりました」と涙を流しながら語る80歳を越えるお年寄りの言葉は忘れることができません。
ビデオ上映の後で斉藤さんから解説をしていただきました。そのなかで、8万人に及ぶ大虐殺にたいして、日本政府はもとより、日中関係に配慮する中国政府も積極的に調査しようとはしていないこと、市民の力で独自の調査を続けることが是非とも必要になっているということを強調しました。また、斉藤さんは、紀州鉱山の真実を明らかにする会を母体に、新たに海南島近現代史研究会を立ち上げを予定しているということを報告し、さっそく参加者のなかからは研究会への参加を申し出られる方もありました。
付記:なお、海南島近現代史研究会は、8月5日に大阪産業大学で設立集会が開催されました。
関連サイト
ドキュメンタリー・フィルム『海南島で日本は何をしたのか』サイト
紀州鉱山の真実を明らかにする会
海南島近現代史研究会
2007/8/14 16:03:52
投稿者:toshi
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