皆さま
〈「平成」代替わりの政治を問う〉連続講座の第5回を以下の要領で実施いたします。
是非、奮ってご参加下さい。
****************************
●〈「平成」代替わりの政治を問う〉連続講座第5回●
〈新たな「人間宣言」〉ってなんだ? ――ソモソモ天皇って、人間なの、神なの
■問題提起 :
・鵜飼哲さん(フランス現代思想)
・天野恵一さん(反天皇制運動連絡会)
・米沢薫(PP研事務局)
(司会)松井隆志(PP研編集委員)
■日時:2018年5月20日(日)14時?(13時30分開場)
■場所:ピープルズ・プラン研究所会議室
■参加費:800円
■主催・連絡先:ピープルズ・プラン研究所
2016年8月8日の天皇の「生前退位」希望のビデオ・メッセージについて、マスコミには、それは新たな「人間宣言」だとし、天皇の「人間」としての希望をかなえるのは、あたりまえという主張が飛び交った。このムード的論理に私たちはのみ込まれてしまうわけにはいくまい。
敗戦直後の1946年元旦の「新日本建設に関する詔書」を、マスコミは「人間宣言」とネーミングした。大日本帝国憲法下の「絶対神聖」な「現人神」天皇は、戦後の〈象徴〉天皇に変わるために、「人間宣言」したのだと、政府もマスコミも説明してきた。
じゃあ何故、「象徴=人間」天皇の二代目は、あらためて「人間宣言」などしなければならないのか。〈象徴〉も、本当は〈人間〉ではなかったのではないか? いや、戦前(中)だって天皇は時間がたてば死んでしまう、生物学的には、一人の人間であるにすぎないことは、誰でも知っていたはずである。
だとすれば、「現人神」天皇を「人間」天皇の関係は、人々にとって、どう認識され、今日にいたっているのであろうか。
かつてわだつみ会の平井啓之は、「絶対的な神」として天皇を観ようとすれば、そう観え、「人間」として観ようとすればそう観える「自己欺瞞」の意識が、明治近代国家の支配階級の手によって人為的に庶民全体の中に育成されてきたことの問題を鋭く抉り出してみせた。
この「自己欺瞞」の意識は、現在もより強固に生き続けていることは、まちがいあるまい。
この支配者の政治的トリックを支える〈意識〉に批判のメスを入れる事は、現在も急務である。
〈天皇教〉の神は、キリスト教あるいはイスラムの神とどう違うのか。
こうした問題を、今回はできるだけ詰めて論議したい。
次回の戦後研の案内です。
「日本の近代」を考える流れで続いていますが、確定したものではありません。
その次以降に読みたい文献など、持ち寄っていただければありがたいです。
興味ある方の参加をお待ちしております。
■次回戦後研究会
日時:2018年5月2日(水) 19時?
場所:PP研会議室
テーマ:日本の近代・その3
報告者:加藤和成さん
読んでくるもの:
吉田裕『日本軍兵士:アジア・太平洋戦争の現実』(中公新書)・2017年
森友問題との関連で以下の論文を掲載しました。
森友スキャンダルとは何か 極右私党の公権力私物化とその破綻/武藤一羊
http://www.peoples-plan.org/jp/modules/article/index.php?content_id=198
戦後研究会の案内です。
■次回戦後研究会
日時:2018年4月11日(水) 19時?
場所:PP研会議室
テーマ:日本の近代・その2
報告者:松井隆志
読んでくるもの:
筒井清忠『戦前日本のポピュリズム:日米戦争への道』中公新書(2018年)
〈「平成」代替りの政治を問う〉連続講座との関連で以下の論文を掲載しました。
インテリの「合理的思考」を機能停止に追い込む象徴君主〈ミカド〉の「奇術」について/天野恵一【反天皇制運動連絡会】
http://www.peoples-plan.org/jp/modules/article/index.php?content_id=197
〈脱成長ミーティング〉を以下の要領で開催いたします。ふるってご参加ください。
◎日時:2018年4月21日(土)17時30分?21時
◎テーマ:ベーシック・インカムの意義と実現可能性を探る
◎問題提起:堅田香緒里さん(法政大学社会学部准教授。専門はベーシック・インカム、フェミニズム、社会保障)
◎参加費:500円
◎場所:ピープルズ・プラン研究所
以下の論文を掲載しました。
雑誌ピープルズ・プラン第79号 特集 グローバル化の変容とオルタナティヴ構想 特集にあたって/大井赤亥(本特集責任編集)
http://www.peoples-plan.org/jp/modules/article/index.php?content_id=196
次回戦後研の案内です。
前回読んだ山本義隆『近代日本一五〇年』からの継続として、「明治維新150
年」問題を意識しつつ、日本の近代について引き続き考えます。
興味ある方のご参加をお待ちしております。
■次回戦後研究会
日時:2018年3月21日(水・休日)19時?
場所:PP研会議室
テーマ:日本の近代
報告者:松井隆志
読んでくるもの:
三谷太一郎『日本の近代とは何であったか:問題史的考察』岩波新書(2017年)
以下の論文を掲載しました。
「マコ」婚約(延期)騒ぎと世襲の〈象徴君主〉一族 ――マスコミの中の「生前退位」論議 (6)/天野恵一(PP研運営委員・反天皇制運動連絡会)
http://www.peoples-plan.org/jp/modules/article/index.php?content_id=195
みなさま
〈「平成」代替りの政治を問う〉連続講座の第4回を以下の要領で実施します。
奮ってご参加ください。
〈「平成」代替りの政治を問う〉連続講座 第4回
明治150年式典・キャンペーンと「生前退位」——近代天皇制国家を問う
■問題提起 : 太田昌国さん(民族問題研究)
伊藤晃さん(近代史研究)
天野恵一さん(反天皇制運動連絡会)
(司会)松井隆志(PP研編集委員)
■日時:2018年3月25日(日) 14時?(13時30分開場)
■場所:ピープルズ・プラン研究所会議室
■参加費:800円
■主催・連絡先:ピープルズ・プラン研究所
2019年4月30日に天皇「生前退位」、5月1日に新天皇「即位」(新元号スタート)という政治スケジュールを確定した安倍晋三政権、彼らが決定的に静かな環境で実現しなければならないこの期間が始まる前に、平和憲法「改正」の国民投票に持ちこむ。こうした意欲をこの政権は示している。そして、2020年は「日の丸・君が代」・「ガンバレ日本!」の東京オリンピックが準備されている。この流れの中で、今年(2018年)は、「明治150年」キャンペーン・式典(全国各地の関連施策)が大々的(全国的)に準備されだしている。
アジアのトップで「近代化」(国づくり)に成功した日本のまるごと賛美、「強い日本」の〈自己陶〉史観をベースにしたイベントである。この、安倍政権の一連のナショナリズム漬け政策全体を視野に入れながら、今回は、「明治150年」イベントの政治を正面から批判的に問いなおしたい。
半世紀前の〈1968年〉に、自民党政権(首相は佐藤栄作)は大がかりな「明治100年記念式典(及び各地での関連施策)を実行した。1966年の「建国記念日」の名の「紀元節」の復活をステップとし、1970年日米安保条約の政治焦点化という伏線をにらんでの「明治百年」式典には、先行的に政府に批判的な民間の知識人がグループによる別の視覚からの「明治百年」の再検討の作業や、主にマルクス主義史学による、戦後民主主義の固有の意味(植民地支配と侵略戦争への反省)を対置する「皇国史観」と「近代化」論(アメリカ産のロストウ(帝国主義)史観)がないまぜになった政府やその御用知識人らへのイデオロギーへの、ストレートな批判の声が大きく組織された。それは1940年の天皇制ファシズム体制下の、東京オリンピックの返上と国をあげての「皇紀2600年」大イベントによる戦争翼賛(総動員)体制づくりの歴史的記憶を想起させるものであったのだから、あたりまえである。
そう考えてみれば、今この「平成代替わり」政治の渦中での「『明治150年』イベントの批判の声はあまりにも小さすぎないか?
「明治百年」イベントの時代に何があったのかの具体的再検討の作業をも含め、「明治150年」イベントを私たちは、どう迎え撃つのかを討論したい。私たちは「近代天皇制国家」150年とどう向き合うのか。