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社会運動研究会 「私」と戦後日本の社会運動 第3章


多くの場合に「?運動」「?闘争」という「塊」として話されてきた戦後社会運動を、個人史を通じて概観する連続講座。今回は1980年代に焦点をあてる。各回ごとに2人の発言者を招いて、当時何を考え、どのように行動したのか、何が論点となっていたのか、そしてそれは今にどう引き継がれているのかなどについて語ってもらう。

この講座は、たんなる懐古趣味に陥ることなく、現在の社会運動に
関わる人びと、とりわけ若い世代が、過去の運動をどう批判的に継承していくかについて考えるきっかけとしたい。


全体スケジュール

第1回(10月18日[土]):民営化に抗して――国鉄労働運動
  <発言者>江藤正修、中村宗一

第2回(11月16日[日]):日米安保体制の変質と反戦平和――反核・反トマからPKOへ
  <発言者>新倉裕史、太田昌国

第3回(12月20日[土]):「平和」利用なんてありえない――反原発運動
  <発言者>西尾漠、菅井益郎

第4回(1月17日[土]):自粛ムードの中で――反天皇制運動
  <発言者>高橋寿臣、桜井大子

第5日(2月14日[土]):「日本人」を問う――在日との連帯運動
<発言者>徐翠珍、木元茂夫

第6回(3月7日[土]):暮らしの中から社会を変える――「生活者」の運動
  <発言者>郡司真弓、向田映子


 ■ 時間:14:00?17:00

 ■ 参加費
  通し参加 :会員/5,400円、非会員/6,600円
  単発参加:会員/1,000円、非会員/1,200円
  貧乏人<自己申告制>/800円


発言者プロフィール

●第1回(10月18日[土]):民営化に抗して――国鉄労働運動

<発言者>
江藤正修(えとうまさのぶ):1944年生まれ。1963年、社青同(社会党の青年組織)に加盟。1968年、埼玉県反戦青年委員会事務局長。1974年、第4インターナショナル日本支部に参加。1976年、『季刊労働運動』編集部。1977年の『労働情報』創刊から編集部員。2004年、同誌を退職。現在は「現代の労働研究会」事務局長。編著に『日本社会党への手紙』、『戦後左翼はなぜ解体したのか』など。

中村宗一(なかむらそういち):1947年生まれ。61歳。JRを定年退職し現在JR関連の下請会社に勤務。反マル生闘争で組合活動に目覚め、スト権ストでは国労高崎地方本部の青年部長。国鉄分割民営後は地方本部の執行委員で1997年からは委員長。現在はぐんま労働安全衛生センター代表。



●第2回(11月16日[日]):日米安保体制の変質と反戦平和
               ――反核・反トマからPKOへ

<発言者>
新倉裕史(にいくらひろし):横須賀生まれ。1972年、反基地運動「ヨコスカ市民グループ」発足に参加。現在、運動体は「非核市民宣言運動・ヨコスカ」を名のり、「市民グループ」から継続している月例デモは、この10月で32年、393回になる。「ヨコスカ平和船団」船団員。運動のモットーは「理想を高く持たない」。共著に『基地の読み方・歩き方』(明石書店)、『周辺事態法Q&A』(岩波ブックレット)、『私たちの非協力宣言』(明石書店)。印刷会社勤務。

太田昌国(おおたまさくに):釧路市生まれ。現在の関心は、(1)挫折した20世紀型社会変革運動の理念と実践の、どこに過ちがあったかを考えて、新たな道を探ること。(2)「理想主義」の敗北の上に乱れ咲く徒花のような、日本ナショナリズムの悪煽動を批判する、有効な視点を得ること。最近の仕事、『暴力批判論』(太田出版、2007年)と文庫版『「拉致」異論』(河出文庫、2008年)は、その途上で生まれたものです。生業=編集者。


●第3回(12月20日[土]):「平和」利用なんてありえない――反原発運動

西尾漠(にしおばく):1947年東京都生まれ。広告制作会社で働いていた1973年ころ、「電力危機」を訴える電力会社の広告に疑問を抱いたことから、原発の問題にかかわる。1978年に『反原発新聞』が創刊されて以来、その編集にあたるほか、原子力資料情報室の共同代表としても活躍。著書に『原発を考える50話』『エネルギーと環境の話をしよう』ほか。

菅井益郎(すがいますろう):1946年、現在の柏崎市に生まれ、高校まで暮らす。1965年に早稲田大学に入学し、大学闘争、ベトナム反戦運動に参加。1969年秋から、柏崎原発反対運動に参加。一橋大学大学院経済学研究科在学中に、原子力資料情報室の設置に関わり、90年まで運営委員。1991年から現在まで市民エネルギー研究所のメンバー。専攻は日本経済史、急速な経済発展と公害の歴史。


●第4回(1月17日[土]):自粛ムードの中で――反天皇制運動

<発言者>
高橋寿臣(たかはしとしおみ):1949年生まれ。和歌山県出身。東京教育大学在学中、党派運動・「全共闘」運動に参加。1974年、東京都の公立学校の非常勤講師となり、同労働組合運動を担って現在に到る。1982年の靖国問題研究会結成(88年休会)、1984年の反天皇制運動連絡会結成に参加。

桜井大子(さくらいだいこ):反天皇制運動連絡会、女性と天皇制研究会。反戦・反天実行委などで活動。反天皇制運動への入口は、89年ヒロヒトXデーの数年前から取り組みが始まった共同行動への参加から。仕事との両立が悩ましい(?)1957年生まれ。


●第5日(2月14日[土]):「日本人」を問う――在日との連帯運動

<発言者>
徐翠珍(じょすいちん xu cuizhen):1947年神戸市生まれ。1971年、大阪市保母採用要項の国籍条項を根拠に解雇されるも、国籍条項を撤廃させ(全国初)、現職復帰。1985年、外国人登録の指紋押捺を拒否(在日中国人初)して、逮捕・起訴される。裁判は昭和天皇死去による大赦免訴。1990年、大赦拒否訴訟提訴。同年外登証を当時の首相に返還。1997年、米軍基地駐留経費・おもいやり予算返還訴訟を296原告と共に提訴。1995年より年2回「反天皇制市民1700ネットワーク」誌の編集発行。2001年より小泉首相の靖国参拝違憲訴訟・靖国合祀イヤです訴訟の事務局として現在に到る。2007年10月「非暴力反戦平和」を理念に市民共同オフィス「SORA」を立ち上げ主宰。

木元茂夫(きもとしげお):1955年横浜市生まれ(米軍鶴見貯油施設のすぐ前でした)。1970年の靖国神社国営化法案反対運動に参加、1972 ?
73年の空母ミッドウェイ横須賀母港化反対運動に参加。1982年の第一次教科書問題を契機に、在日台湾出身華僑の林歳徳さんが呼びかけた「日本のアジア侵略史を考える市民講座実行委員会」に参加。1985年に「林歳徳さんの人権を守る会」を結成して、指紋押捺拒否闘争に参加。以後、「指紋カードをなくせ !1990年協議会」で10年余り活動。90年代後半から地元神奈川を中心とした活動に移行し「ヨコスカ平和船団」に加わる。1998年の「原子力空母の横須賀母港問題を考える市民の会」の結成に参加し、現在に至る。著書に『アジア侵略の百年』、DVD作品に『原子力空母の危険性―変貌する横須賀軍港』


●第6回(3月7日[土]):暮らしの中から社会を変える――「生活者」の運動

<発言者>
郡司真弓(ぐんじまゆみ):1950年生まれ。1984年に生活クラブ生協に加入し、子どものアトピーから石けん運動に関わる。1994年、横浜西部生活クラブ生協理事長、その後地方政治団体「神奈川ネットワーク運動」で女性の政治参加や市民政治を推進する。1998年にリサイクルショップでアジアの女性たちの自立を支援するWE21ジャパンを立ち上げ、現在に至っている。また、地域でDV被害者の自立支援施設を運営し、女性の人権問題にも取り組んでいる。

向田映子(むこうだえいこ):1946年東京生まれ。子供の誕生をきっかけに食・環境問題に目覚め、1977年に横浜市に転居後、リサイクル運動、反核平和運動などの社会運動に参画。 1984年?生活クラブ生協神奈川理事、1987年?横浜市議、1995年?1998年神奈川県議。1996年、既存の金融機関の在り方に疑問を持ち、地域を基盤にした透明性の高い、女性・市民を中心とした非営利・協同の金融の立ち上げを呼びかけ、1998年に「女性・市民信用組合設立準備会」を設立。現在、同会代表。
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