木下茅=ピープルズプラン@ロストックです。
大屋君が先に帰国したので、G8闘争最後の報告をします。
私は基本的にシンポジウムなどには一切でず、デモや阻止行動をまわって、現場の活動家の話を聞くことに専念しました。率直にいって団体間を問わず、シンポジウムに出ているのは年配の方で、直接行動に出るのは若者、といった構図があることがわかりました。ですから、「ブラックブロック」とは何か、を知ることを含めて、反G8行動で顕在化する若者の運動の実相を知るには、とにかく足でかせぐしかないということを実感しました。
WSF連絡会の大屋です。
今帰国便の出発地であるハンブルクに入りました。何とか6日までの報告を出しておきます。急いでいるので、誤字脱字はご勘弁ください。
テレビでは、7日夕方現在も「ハイリンゲンダムの抗議はさらに進んでいる」との見出で、報道が続いています。生中継中に、警察による放水排除の映像が流れるなど、事態は緊迫したままです。しかし、ハイリンゲンダムの人たちはがんぱっています。(その横で、日本と思しきアジア系のテレビレポーターが、ヘルメットをかぶってレポートしている姿もうつって
いました。警察の裏にいるから警察に殴られるわけでもないと思うのですが・・・。日本のマスコミには、放水をもろに受けているTシャツ姿の抗議者たちが、暴力集団にでも見えるのでしょうか?)
取り急ぎ。
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G8サミットが開幕した6日、会場の町ハイリンゲンダムを一万人が包囲し、サミットの無策とその民主主義的非正当性に抗議の意を示した。二日目を迎えたオルタナティブ・サミットで
は、「もうひとつの世界」に向けた各種のワークショップが開かれると同時に、ハイリンゲンダムでの包囲に連帯を示す発言が相次いだ。
●オルタナティブ・サミットでの議論
今回のG8対抗行動は、2日のデモのスローガンが「もうひとつの世界は可能だ」であったことからも分かるように、世界社会フォーラムに集った運動と大きく重なっている。オルタナティブ・サミットの参加団体もパネリストも、その海外ゲストの多くは世界社会フォーラムではなじみの顔ぶれとなっている。
G8に対する抗議の根拠も、気候変動に対する無策に対してばかりでない。第一に、今G8の宣言草稿がアフリカの貧困削減を焦点にしつつも、その対策としてはアフリカにおける投資の自由化を呼びかけているように、G8共通の方向性が、自由化・民営化を促進する「新自由主義」のグローバリゼーションであることに非難が集中した。第二に、G8各国が展開する軍事行動については、何の反省も見られないとする批判があった。第三に、いかに選挙で選ばれた政府であろうとG8という先進国が勝手に行っている会議が、世界的に影響を与えるのは、世界的な民主主義という観点から正当化されうるのか、という根本的疑問があげられた。
G8サミット開幕前日となる5日、「軍事主義に対する行動日」の活動がロストック市内で行われ、夕方にはブッシュ大統領や安倍首相の到着するロストック郊外のラーゲ空港で抗議活動が行われた。オルタナティブ・サミットも開幕し、国連食料権特別報告者であるジョン・ツィーグラー氏が開幕記念講演で、今回のG8宣言準備草稿を、資本主義・新自由主義を促進するものとして批判、大きな喝采を受けた。
●「軍事主義に対する行動日」
対抗運動ネットワークによって「軍事主義に対する行動日」とされた5日、市内各地で軍需産業への抗議活動が行われた(行動の呼びかけなどについては、http://www.g8andwar.de/を参照のこと)。G8各国が主導ないし放置する武力紛争(イラク、アフガニスタン、パレスチナ、チェチェンなど)を批判するために、ドイツ平和協会など反戦・平和運動が共同して、G8サミットでの行動を呼びかけたのである。
WSF連絡会の大屋です。
6日のハイリンゲンダム・ブロックは、8千人から1万人が参加し、警察の阻止線を突破、会場周辺に設けられたフェンスに到達し、完全非暴力でG8への抗議を敢行しました。警察は、これを放水車で排除しようとしましたが、ATTACドイツなどの対抗行動ネットワークは「平和的な市民不服従活動に警察が暴力行為に出ている」といっせいに反発、フェンス前には現在も何人ものドイツ人が残っているそうです。
現地の活動家は、この日の行動を完全な成功と考え、私が参加していたオルタナティブ・サミットの各会場でも、報告が入るたびに歓声が上がっていました。
メルケル独首相は、陸路での移動をあきらめ、ベルリンからヘリコプターでサミット会場に入りました。
WSF連絡会の大屋です。
日本では6月4日にも「暴動」があったと報道していますが、こちらは平穏に活動しております。
まずは6月3日の状況をお伝えします。
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6月3日、G8サミットを控えたロストックでは、市内各所で抗議活動が行われている。
●「農業の日」
対抗行動主催者の一角をなす「G8・グローバル農業の行動ネットワーク」は、3日を「農業の日」と位置づけた。この背景には、国際農民運動団体「ヴィア・カンペシーナ」とそれに連なるヨーロッパ各地の農民運動が、今回のG8対抗行動に参加していることがある。これらの団体は、G8の政策が、輸出産業型の商品作物栽培奨励、アグリビジネスなどの大企業の厚遇、遺伝子組み換え作物の野放し、そして飢餓をもたらしているとし、家族経営の小農家や土地なし農民の保護、食料主権、農地改革、持続可能な農業優先を訴えた。(本報告の末尾に、ロストックに向けたヴィア・カンペシーナの呼びかけ文を転載しておく。)
ドイツG8の対抗行動の参加者から、メディアによる日本人参加者逮捕の報道などもふくめて、不正確な内容があるとして、以下のようなメッセージが届いています。
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先頃からNHKなどで、6月2日のG8反対行動で日本人の逮捕者が出ているという報道がなされています。本日夕刻に、その逮捕者に該当すると思われる方に偶然会いました。24時間の拘留のみで無事釈放されたそうです。今回の逮捕は、直接行動に参加したかどでなされたのではなく、たまたまスカーフで口を覆って現場の写真をとっていたところ逮捕されたというものです。
ドイツ、ロストックのG8対抗行動に参加している大屋さんからのレポートです。
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WSF連絡会の大屋(@ドイツ)です。
ドイツG8対抗行動初日(6月2日)の国際デモに参加してきました。もうすでにいくつか他の方の報告や情報提供が流されていますが、私の見聞した範囲でのことを報告しておきます。
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2007年6月2日、ドイツで予定されるG8サミットに対抗する国際的なデモンストレーションが、開催地に近いロストック市で開催され、5万人が参加した。デモの到着地であるロストック港には最終的に8万人が集った(主催者発表、警察発表によれば2万5千人であるとのことである)。
G8で論議される政策とその存在自体に疑問を突きつけるこのデモは、二箇所の出発地が設定され、午後1時より3時間ロストック市内を行進した。ドイツ国外から参加した国際NGOを先頭に、さまざまな社会運動体、ドイツの左翼諸党派、アナーキスト・アウトノミア活動家などの直接行動左派が、一体となっていた。印象的だったのは、直接行動派の部隊がデモ全体の中で2割から3割の規模を占めていたことである。
途中一部の直接行動派が、多国籍企業の広告などを破壊したが、全般的にデモは平和的に行われた。
ロストックの反G8行動の参加者から届いた画像です。
WSF連絡会の大屋(@ドイツ)です。
以下、ドイツG8対抗行動初日(6月2日)の国際デモの事前情報です。(団体名の訳は誤っているかもしれません。)
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G8サミット開催4日前にあたる6月2日、ドイツ・ロストックでは国際的なデモンストレーションが計画されている。
このデモは、G8の存在自体に疑問を突きつけるとともに、G8が議論される諸政策が、軍事紛争、貧困、格差、差別、南北問題などを解決するものではないことを、全世界に訴える。
演説予定者の顔ぶれからは、今回のG8対抗行動が、ドイツ内外のさまざまな運動体の手で構築されていることがわかる。
デモの日程は下記のとおり。
WSF連絡会の大屋(@ドイツ)です。
6月2日からドイツG8対抗行動がはじまりますが、その前日の6月1日に社会運動ネットワーク会議が、ドイツ・ロストックで開催されます。
このネットワークは、世界社会フォーラムに参加した社会運動団体の国際ネットワークで、今回ドイツG8にさいして、ドイツの運動体と交流すべく、集会を組織しています。
そこでは、本日(5/31)WSF国際評議会が決定した2008年のダボス会議開催日に計画されている「世界行動の日」について呼びかけが行われ(この詳細については後日報告します)、ネットワークの具体像についても議論される予定です。