PP研の皆さま
次回戦後研究会の案内です。
先日の前回戦後研では、丸山眞男と、東大全共闘を介した吉本隆明との対立関係についての報告があり、関連文献については、今後も随時紹介があるとのことでした。
このテーマで読み継いでも個人的には良かったのですが、とりあえず次回はテーマを変えて、世間でも評判の新書を読むことになりました。
興味ある方の参加をお待ちしております。
■次回戦後研究会
日時:2018年11月7日(水) 19時?
場所:PP研会議室
テーマ:現代社会のゆくえ
報告者:松井隆志
読んでくるもの:
見田宗介『現代社会はどこに向かうか:高原の見晴らしを切り開くこと』岩波新書(2018年)
*同著者の関連する文献は他にもありますが、岩波新書に限定すると『現代社会の理論』『社会学入門』と続く三冊目という位置づけになると思いますので、余裕のある方は、これらについても目を通されると良いかと思います。
福島原発事故緊急会議
第16回連続シンポジウム(2018年10月14日)のお知らせ
《連続シンポジウム第16回》
福島 と チェルノブイリ
◆とき:2018年10月14日(日)13:30?
◆ところ:スペースたんぽぽ(千代田区三崎町2-6-2 ダイナミックビル4F)
◆地図 最寄駅 JR水道橋駅
◆資料代 500円 【チラシPDF】
≪お話≫
白石草さん(Our Planet TV代表・ジャーナリスト)
「原発事故を終わらせる『復興五輪』」
黒田節子さん(原発いらない福島の女たち)
「福島の現実と実態」
2011年3月11日、東京電力福島第一原発事故から7年半。いま、原発立地の大熊町、双葉町などを除く多くの自治体では「復興」を看板に避難指示が解除されたものの、住民たちの多くは帰っていません。避難指示が解除された地域でも放射線量は依然として高く、事故は収束しておらず、住民たちが日々の暮らしを安心して取り戻すことが出来ないからです。
しかし政府は、オリンピックを看板に「復興」の名目で住民への支援を打ち切っています。被災者は切り捨てられています。
1986年に大事故を起こした旧ソ連(現ウクライナ)のチェルノブイリ原発事故では、事故から5年後の1992年に「チェルノブイリ法」が制定され、土壌汚染のレベルや住民が受ける追加的被ばく量に応じて、被害の補償を受ける権利が細かに規定され、「国家の負担による追加的医療保障」「毎年の健康診断」「金銭的支援」「きれいな食品の供給」「妊婦に対する居住地外での延長休暇」などが保障されるようになりました。
日本の現状はこのような保障には程遠く、被災者に対する行政の姿勢にも大きな違いがみられます。
16回目シンポジウムでは、チェルノブイリを取材してきた映画監督でOurPlanetTV代表・ジャーナリストの白石草さんと、「原発いらない福島の女たち」の黒田節子さんを講師にお迎えしお話を伺います。ぜひご参加ください。
主催・問い合わせ 福島原発事故緊急会議
Tel:090-1705-1297(国富) fax:03-6424-5749
e-mail 2011shinsai.office@gmail.com
オリジナルのWebサイトは以下の通り。
http://2011shinsai.net/hp2/?p=542
〈「平成」代替りの政治を問う〉連続講座
第8回「象徴「天皇陛下」万歳の《反安倍》でいいのか?」
■問題提起 :
白川真澄
平井 玄
松井隆志
米沢 薫
司会:天野恵一
■日時:2018年11月18日(日)15時?(14時30分開場)
■場所:ピープルズ・プラン研究所会議室
■参加費:800円
■主催・連絡先:ピープルズ・プラン研究所
自民党の総裁選にも勝利した安倍晋三。彼の憲法九条(非武装平和主義条項)に、自衛隊を明記し、米軍とともに海外派兵も可能な軍隊保持を原理とする国家に戦後日本国家をつくりかえ、それを突破口に日本を、全面的に国家主義原則が貫徹した国家・社会につくりかえてしまおう。そうした安倍政権の野望に支えられた暴走は、天皇代替わりの儀式を目前に、加速されている。この間、この安倍政権のそうした軍事国家主義化の公然たる動きに抗する運動は、様々なイシューをめぐって広く多様にうみだされている。
そうした抵抗と抗議の動きの内側に、最初はひそやかに、そして、今や公然と、「平和天皇アキヒトとミチコ皇后」への政治的期待の声がうまれだしている。それは、反安倍政権の多様な運動の中に、「天皇Xデー[生前退位]」の政治への正面からの批判の声を押さえこんでしまう状況をもつくりだしているのだ。そして、「反安倍」であれば「新象徴天皇制」であるのは当然という論理が、少なからず「反安倍」言論の中に、しかしクッキリと浮上している。
例えば、自称思想家内田樹。彼は、新たな法律をつくれ、ないしは法改正をせよという内容を持った天皇の政治メッセージ(「生前退位」希望のそれ)を前に、「憲法尊重擁護義務を天皇ほど遵守されている人はいない」と公言している(『街場の天皇論』)。憲法破壊は、憲法「尊重擁護」であるというわけだ。同じメッセージを前に、「象徴天皇」は「神聖天皇」と対立すると宣言し、〈象徴〉はもはや天皇制ではないものでもあるかのごとき主張を平然と展開している宗教学者島薗進。象徴天皇制がどのような「虚妄」であるかをまったく論ぜず、「象徴天皇制の虚妄に賭けたい」とカッコをつける政治学者片山杜秀(『近代天皇制』は両社の対談新書)。
もう一人の政治学者白井聡は、天皇のメッセージは「天皇による天皇制批判」だと根拠もなく強弁して、「今上天皇への人間的共感と熱意」を力説してみせている。メッセージ以前であるが、文学者柄谷行人は、天皇は「人民主権」憲法、九条平和主義の「庇護者」となっていると、新しい「君民共治」の天皇制イデオロギーをふりまいている(『憲法の無意識』)。
このようにとてつもない心情的思い入れで、まったく思考停止してしまっているのではないかと思えるような倒錯的言論が、いたるところにふりまかれているのが現状である。
こうした情況に抗するモチーフで、PP研の季刊誌81号は「象徴『天皇陛下』万歳の《反安倍(リベラル)》でいいのか?――代替わり状況下の〈安倍政治〉と〈天皇政治〉」を特集した。
今回の講座は、この論争的特集をタタキ台にした問題提起を、雑誌編集関係者五人がし、他の筆者も含めて、参加者と討論するかたちで持つことにした。
積極的な参加を呼びかけたい。
ピープルズブログで紹介していましたイベントですがいよいよ最終回となりました。
富山の米騒動100年のイベントの宣伝です。
「生・労働・運動ネット 富山」は、PP研の会員で、PP77号の特集ロシア革命のときに書いてもらった人たちです。
「『米騒動』100年プロジェクト」は、10月13日の「SCENE7」で最終回となりますが、内容と会場の部屋が変更しました。
(以下、変更後の「SCENE7」の案内文)
『米騒動』100年プロジェクト SCENE 7
米騒動の100年の〈後〉にーー私・たちは〈どこ〉へいくのか
報告:「私・たちの〈現在地点〉」
提起:菅孝行( 劇作家・評論家)「『陣地線』の戦線のありか:〈生・命の再生産〉をめぐる闘い」
水野博達(大阪市立大)「ケアワーカーユニオンの現状と課題」
佐藤義夫(日本生活介護)「『地域ケア住民評議会』構想」
日時:10月13日(土) 13:00?17:00
会場 サンフォルテ306号室
参加費+資料代:1000円
主催:生・労働・運動ネット 富山
TEL:076-441-7843
E-mail:jammers.net.tym@gmail.com
皆さま、
PP研運営委員、雑誌『ピープルズ・プラン』編集委員、白川真澄の最新の論考をWebにも掲載いたします。
「お金がない」からという脅しにどう立ち向かうか ――松尾 匡さんの議論の危うさ:再論(2018年9月白川真澄)
http://www.peoples-plan.org/jp/modules/article/index.php?content_id=209
皆さま
PP研事務局です。
PP研では以下のとおり、共同声明への署名を呼び掛けています。
発起人の一人である武藤一羊の呼びかけ文と、署名方法を記載の上、共同声明本文を掲げます。
ぜひご賛同いただき、周りの方へもお知らせ頂ければ幸いです。
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朝鮮半島における南北首脳会談、米朝首脳会談という朝鮮戦争を終わらせ、平和 構築・非核化と進む画期的な動きが始まっています。しかしこのプロセスはアジ アの民衆の強い圧力で支えられない限り順調に進まないことは明らかです。
さる6月13-18日、香港、嶺南大学で「現状変革の理論と実践」をテーマに、第 5回南・南フォーラム(South South Forum) という国際会議が開かれ、中国本 土、東南アジア、ラテンアメリカを含む多くのの理論家、実践者が出席しまし た。この会議は、ARENAというアジアの活動者・研究者のネットワークを土 台にして立ち上げられた「持続可能性のためのグローバル大学」(Global University for Sustainability)が主催する国際的な討論集会です。
今回の会議では韓国から「ろうそく革命」から始まる平和プロセスについて詳細 な報告が行われて、この平和プロセスの重要性が共有され、共同声明が作られ、 国際的に賛同署名が集められています。ぜひご参加ください。
ピープルズ・プラン研究所 武藤一羊
(第5回南・南フォーラムに参加した発起人の一人として)
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◆声明文ウェブサイト
https://our-global-u.org/oguorg/en/statement-on-the-peace-process-in-korea-2/ ※英文・日本語文が掲載されています
◆署名方法 以下のアドレスに、英文表記でお名前、所属等をお送りください。
E-mail:our.global.u@gmail.com
件名:Statement on the Peace Process in Korea
本文(英文字表記で):氏名(必須)、所属/肩書、居住地等(Japan等)
※送られた情報は上記ウェブサイトに掲載されます。
※不明な点はPP研までお問い合わせください(ppsg@jca.apc.org)
◆以下、声明文(日本語)です。
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朝鮮半島の和平プロセスを支持する共同声明
2018年6月13日から18日に香港・嶺南大学で開催された第5回サウス・サウス フォーラムの参加者として、私たちはアメリカ合衆国と朝鮮民主主義人民共和国 の首脳会談および朝鮮戦争と朝鮮半島における冷戦体制の終結に資する南北間の 和平プロセスを支持する。朝鮮半島には冷戦が残存しており、それはこれまで浪 費的な軍事支出というかたちで、私たちの生活や財産に巨大な負担を強いてき た。1950年にはじまった朝鮮戦争は、不安定な休戦協定のもとに依然継続してい る。昨年、とりわけ朝鮮半島およびその周辺諸国の人びとは、最終的に第三次世 界大戦の勃発に至るかもしれない戦争の切迫した可能性に恐怖しなければならな かった。私たちはいかなるかたちの戦争にも反対する。なぜなら、核技術の発展 した現代における戦争は、あらゆる生命体にとって破滅的な結果をもたらすから である。この戦争に勝者はおらず、代わりにすべての当事者のみならず、生態系 をも荒廃させるだろう。
今年、想像できなかったような和平プロセスへの進展が朝鮮半島で生じた。南 北間の対話と交流が平昌冬季五輪を契機に復活したのである。南北の首脳が4月 27日に板門店で会談して板門店宣言を発表し、南北両国双方が互いに対する敵対 的行為をやめ、朝鮮戦争の終結へと向かい、さまざまなレベルと地域での交流を 拡大し、朝鮮半島の完全な非核化を目指して段階的な軍縮を進めることを確認し た。
アメリカのトランプ大統領と北朝鮮の金正恩委員長の歴史的な首脳会談が、6 月12日にシンガポールで行われた。両首脳は、最終的な朝鮮半島の非核化へ向け ての取り組みの開始および北朝鮮の体制保証を宣言した。この二者会談は和平プ ロセスにとって画期的なものである。なぜなら、アメリカと北朝鮮は70年にわ たって敵対関係にあり続けてきたからである。平和への意志および両首脳の相互 信頼が確認された。こうしたかたちで和平プロセスはすでにはじまっている。北 朝鮮は核爆弾および長距離ミサイルの実験を昨年11月から中止しており、今年5 月には自発的に核実験場を爆破した。さらに北朝鮮は、同国で拘束されていたア メリカ市民3名を5月に解放した。トランプ大統領もまた、北朝鮮に深刻な脅威を 与えていた米韓共同軍事演習の中止を発表した。
私たちは、平和を愛するグローバル市民として、朝鮮半島において進行中の和 平プロセスを断固支持し、この稀有な和平プロセスを妨害し、中傷し、無効化し ようとするいかなる動きにも反対する。これは、この地域の市民が平和を勝ちと るための真に稀有で貴重な機会である。私たちは、戦争ではなく平和だけが人々 の生活の本当の包括的な安全保障になりうると確信する。
私たちは、こうした歓迎すべき展開の一切が、キャンドル運動をきっかけに生 じたことを銘記しておく。それは長年にわたって平和を求めてきた、女性運動を 中心とする市民の闘いの一部である。
私たちは、朝鮮半島における和平プロセスを固く支持する。私たちは、グロー バル市民として、連帯のネットワークを構築、拡大し、南北間および米朝間の交 渉を後押しするだろう。
私たちは、関係当事者間の交渉が早急に妥結し、この地域の人びとが安全と繁 栄と人権を享受できるようになることを望んでいる。
私たちは、グローバル社会の平和を愛する市民として、法、制度、文化、教育 の体系に深く埋め込まれてきた冷戦体制の遺産を取り除き、根絶するために努力 する。
私たちは、とりわけ東アジア諸国の知識人たちに、私たちの連帯運動に参加 し、東アジアに非核地帯をつくりだす第一歩を踏み出し、戦争が蔓延る世界の他 地域にそれを拡大していくことを呼びかける。
2018年6月18日
第5回南・南フォーラム(South South Forum)参加者有志
嶺南大学・香港
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皆さま、
PP研運営委員、雑誌『ピープルズ・プラン』編集委員、白川真澄の最新の論考をWebにも掲載いたします。
リーマン・ショックから10年(2018年9月18日/白川真澄)
http://www.peoples-plan.org/jp/modules/article/index.php?content_id=208
雑誌『ピープルズ・プラン』第81号特集 の前書きになる論文、「象徴「天皇陛下」万歳の《反安倍》でいいのかー」特集にあたって(天野恵一)を以下のリンク先に掲載いたしました。
http://www.peoples-plan.org/jp/modules/article/index.php?content_id=207
大変お待たせいたしました。
『季刊ピープルズ・プラン』81号発刊のお知らせです。
目次より:
特集 象徴「天皇陛下」万歳の《反安倍(リベラル)》でいいのか? 代替わり状況下の〈安倍政治〉と〈天皇制〉
特集にあたって | 天野恵一
http://www.peoples-plan.org/jp/modules/article/index.php?content_id=207
[座談会]「平成天皇制」の独自の政治的統合力-安倍政権との対立と共存をめぐって
太田昌国×鵜飼哲×天野恵一(司会)
象徴天皇制と戦後憲法-歴史学の視座から | 伊藤晃
《片山杜秀批判》「象徴天皇制の虚妄に賭ける!?」 | 田中利幸
《島薗進批判》「神聖」か、「象徴」か、いかなる「国家神道」か | 北野誉
《白井聡批判》「天皇による天皇批判」という妄想 | 松井隆志
《内田樹批判》「日本的情況」に足すくわれた“知の巨人” | 中嶋啓明
憎悪の美学-天皇=平和言説の根源にあるもの | 小倉利丸
天皇制に無批判な「生前退位」大報道 | 山口正紀
皇室におけるジェンダー-「眞子さま」婚約騒動 | 千田有紀
戦後憲法と象徴天皇制-憲法学の立場から | 中北龍太郎
只今闘病中-読書ノート(33) 平成代替わり〈「生前退位」騒ぎ〉の中で(7) | 天野恵一
北村小夜さんインタビュー | 聞き手:天野恵一・鶴田雅英
かつての愛国少女から見た象徴天皇制の「生前退位」
安倍改憲をつぶす、その先に何を展望し、実現すするか|武藤一羊
憲法前文と九条の原理の実現プロセスについて(III・上)
ほか
9月16日追記:
81号の完全な目次は、下記リンクからご覧いただけます。
http://www.peoples-plan.org/jp/modules/tinyd0/index.php?id=87
ピープルズ・プラン研究所事務局
次回戦後研の案内です。
過日予告した通り、7月の文献の「続き」として、丸山眞男関連の文献を読みます。
興味ある方の参加をお待ちしております。
■次回戦後研究会
日時:2018年10月10日(水) 19時?
場所:PP研会議室
テーマ:戦後と丸山眞男
報告者:天野恵一さん
読んでくるもの:
梅本克己+佐藤昇+丸山眞男『戦後日本の革新思想』(現代の理論社・1983年)
*『現代日本の革新思想』(河出書房または岩波現代文庫(上・下))も鼎談部分は同じです(現代の理論社版の方が丸山・佐藤対談など増補分が多いと思われる)。
入手しやすいものでお読みください(報告者は現代の理論社版で報告すると思われます)。
また参考文献として、以下の本も挙げておきます(報告者が言及予定とのこと)。
丸山眞男『自己内対話』(みすず書房・1998年)
以上どうぞよろしくお願いします。