以下の論文を掲載しました。
『琉球新報』に10月4日に掲載されたものです。
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尖閣問題に沖縄の視点を
国境を超え民衆交流を/相互理解を築く努力重要
新崎盛暉
沖縄大学名誉教授
2010年10月4日
尖閣諸島を自国の「固有の領土」だとする日中両国の応酬は、今に始まったことではない。そして、日米同盟至上主義的立場に立つ閣僚、議員、官僚あるいはそれに連なる論者たちが、露骨に、あるいは示唆的に強調してきたのが、中国の尖閣侵攻に対する抑止力としての在沖米軍である。もとよりこのような強引が基地押し付けの論理は、沖縄に対してはほとんど説得力を持たなかった。
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【つるたまさひでの今月のお薦め】新規掲載しました。====================
【今月のお薦め/つるたまさひで】
『逝かない身体―ALS的日常を生きる』 (読書メモ)
川口さんの『逝かない身体―ALS的日常を生きる』、ずっと読もうと思っていたのだが、やっと読んだ。
川口さんのお母さんが亡くなった日のすごい夕焼けの表紙をとりあえず開いて読み始めたら、一気に読めた。いろいろ考えさせられる記述は少なくない。
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尖閣諸島問題をめぐって「尖閣諸島は日本の固有の領土」というナショナリズムの(右翼から共産党に至るまでの)大合唱が吹き荒れているなかで、地方議会でも意見書の採択が相次いでいます。そのなかで、東京都小金井市議会では漢人明子さんが自民・公明・共産党提出の意見書に対する反対討論を行なっています。全国各地の論戦に役立つと思いますので、紹介します。(編集部)
沖縄県尖閣諸島海域の中国漁船衝突事件に関する意見書
漢人明子
小金井市議
2010年10月4日
議員案第53号「沖縄県尖閣諸島海域の中国漁船衝突事件に関する意見書」に反対する討論を行います。
今回の中国漁船の拿捕、船長の逮捕・釈放をめぐって日中領土領海問題が噴出し、中国側の反日感情、反日行動、日本国内での反中国感情、反政府感情が高まっています。このような事態を招いた今回の日本政府の先の見通しのない対応の責任は重大です。
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『季刊ピープルズ・プラン』51号より、下記論文を掲載しました。
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◆《短期集中連載》
◆海兵隊グアム移転――誰のための負担軽減なのか(5)/山口響
11月13日、14日の2日間、横浜でAPEC首脳会議が開催されます。APECが掲げる「成長」や「発展」が、本当にその地域に暮らす様々な人々の利益になるのか。共に考え行動したいと思います。
PP研も賛同しています。
【賛同呼びかけ】
「いらない!APEC」横浜民衆フォーラム
この11月に横浜で開催される「APEC」って一体何でしょう?それはアジア太平洋地域の21の国や地域の非公式な会議にすぎません。しかし、G8やG20と同様に1989年以来、この会議で貿易や経済、安全保障などの方向性を決め実施してきました。
従来APECでは「貿易・投資の自由化」、「ビジネスの円滑化」、「人間の安全保障」、「経済・技術協力の活動」を目標としてきました。このたびの APEC横浜において議長国日本は、?「成長戦略」、?「地域経済統合」、?「人間の安全保障」を掲げ、?では、APECがG20を補完する存在であるとして、均衡ある、あまねく広がる、「持続可能」な成長などを掲げ、特に、グリーンイノベーションの促進として、原子力発電を進めようとしています。
また?では2020年までにこの地域のFTA(FTA-AP)を構築することや投資や貿易の自由化を促進すること、またビジネス環境改善と称し、労働運動の抑圧などを図ろうとしています。さらには、?「人間の安全保障」を掲げ、感染症対策などと並んで、日米安保体制を軸として沖縄辺野古での新基地建設と沖縄-日本における米軍再編を通じてこの地域の軍事的結びつきの強化を進めようとしています。そして、大企業が規制を受けずに「自由」かつ「円滑」に行動し、儲けるために、それに支障をきたすものをテロ対策として、監視・弾圧しようとしています。
APECが掲げるこうした「成長」や「発展」が、本当にその地域に暮らす様々な人々、労働者、先住民、農民、女性、子どもたちなどの利益になるのでしょうか?
今年のAPECでは1994年に合意されたボゴール目標(「先進国・地域は2010年までに、途上国は2020年までに自由で開かれた貿易と投資を達成する」)の達成評価が行なわれるとともに、その先を見据えた新たなビジョンの提示が行なわれます。この「貿易・投資の自由化」が進めばアジア太平洋地域での弱肉強食の市場原理がまかり通ることになります。
現に米国のオバマ政権は人口増加と経済成長が顕著なアジアを有望な市場として、これまでになく大きな関心を寄せています。日本の民主党政権の「新成長戦略」は財界の支持を得て、APECを通して、日本がアジアにおいてリーダーシップを発揮し、なりふり構わず東アジアを含むアジア太平洋地域への積極的な経済進出を狙っています。
こうした事態が進むと、日本においては中小の製造業が成り立たなくなり、いっそう産業空洞化が進み、賃下げを含む労働条件の悪化、失業、不安定雇用の拡大など、下に向かって熾烈な争いが展開され、非正規労働の増加、野宿者の増加にも拍車がかかります。またアジア太平洋地域の労働市場においても、製造コストの削減圧力がかかり、企業が安い賃金労働者を求めて工場移転を繰り広げ、日本で起きている事態がアジア太平洋全域において展開されることが予想されます。
APECの「成長や発展」には「開発」がかならず伴います。これまでの「開発」ではダム建設、大規模輸出作物への転換などで地域社会を崩壊させ、住民の主食生産をないがしろにし、環境破壊をもたらすなどしてきました。そして今回、日本は官民一体となってまたこのたび「クリーンエネルギー」などと称してアジア各国への原子力発電の売り込みに躍起になっています。
これは放射性廃棄物の管理まで含めれば火力発電と大差ないCO2を排出し、温排水を海に日常的に垂れ流す原発を「地球温暖化対策に有効」という虚偽宣伝によって推進するものです。また被爆労働者を増加させ、その稼働は処理不可能な核のゴミを増加させ、環境悪化をもたらすばかりでなく、一旦事故が起きればこの地域での深刻な環境破壊を引き起こすなど、アジア太平洋のみならず、地球全体を環境破壊どころか、破滅への道に導くものです。
またAPECは財界からの提案を受けてFTA-AP(アジア太平洋自由貿易協定)構想を展望しています。すでに多くのFTAが締結され始めています。経済のグローバル化によって強い国の輸出志向型産業ばかりが繁栄してきました。弱い産業とくに農業は常にその犠牲となっています。日本の農業もその例外ではなく、各国とのFTAの締結、そしてFTA-AP構想の実現によって壊滅的な打撃を受けます。また、アジア太平洋域内各国の自然や文化に根ざした多様な家族経営農業は、多国籍アグリビジネスに駆逐されてしまうでしょう。
APECが目指している「成長」や「発展」とは、何なのか、どこを向いているのか、そして誰の利益になるのか、について、私たちは真剣に考えなければなりません。
私たちは11月13日から開催されるAPEC首脳会議にあわせて、こうした問題を深く掘り下げ、各国、各地域の人々とともにネットワークをつくり、私たちが望むアジア太平洋地域のあり方を考え、行動したいと思います。
「アジア太平洋の人々のくらしを一部の人間だけで決めるな!」
「いらない!APEC」横浜民衆フォーラム 実行委員会
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【今月のお薦め/つるたまさひで】
「日本人はなぜキツネにだまされなくなったのか」(内山節著) (読書メモ)
ぼくが読んだ内山さんの本にしてはわかりにくい部分もある(最後のほうの他の人の思想を紹介しているところなど)。手軽そうなタイトルに騙されて読むと、なかなか手強い。
1965年を境にたくさんあったキツネにばかされる話が発生しなくなった、それも全国ほぼいっせいに、という。
これが、この本の書き出しのエピソードであり、なぜそうなのかがこの本の軸となる問い。
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【今月のお薦め/つるたまさひで】
パリのモスク――ユダヤ人を助けたイスラム教徒 (読書メモ)
静かに美しい絵がたくさん使われている。文章は短い。もとは絵本だったという。
とても薄い本だが、なかなか知られていない興味深い話。1940年代前半、ドイツに占領されていたパリでモスクはドイツへのレジスタンスの隠れた拠点になっていた。そこで、・・・というような話は「BOOK」データベースの内容紹介にある。
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『季刊ピープルズ・プラン』第51号
特集テーマはずばり「ジェンダー平等は日本でなぜ進まないのか」。田中美津さんインタビューから「赤ヒモ(いわゆる連れ合いに「養ってもらって」活動していた伝説の左翼活動家、かな)座談会」、フェミニストとそうでもない友人知人へのアンケート、同性パートナーシップ制度提案など、ジェンダー平等や「多様で・多元的なフェミニズム」に向けた可能性を探ります。
目次は、以下
http://www.peoples-plan.org/jp/modules/tinyd0/index.php?id=55
ご入用の方は、以下のフォームを使って、<ppsg@jca.apc.org>までご注文ください。
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新規論文を掲載しました。ベーシック・インカムについて、ひじょうにわかりやすく、かつポイントを押さえて論じています。
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ベーシック・インカムのすすめ
白川真澄
2010年7月
いま、ベーシック・インカムがちょっとした話題になっている。ベーシック・インカムとは、すべての個人に対して最低限の生活ができるだけの所得(「基本所得」)を無条件に、税金から給付するという仕組みである。
重要なのは、無条件にという点である。これは、働いているかいないか、働く意欲があるかないか、資産があるかないかに関係なく、赤ちゃんから高齢者まですべての人に給付するということである。・・・つづきはこちらで!
前回に引き続き、安保および沖縄基地問題に関する武藤一羊執筆論文の掲載です。
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沖縄・ヤマト国家の対峙と
米・日・沖関係としての安保構造
武藤一羊
2010年7月20日
昨年9月、総選挙での民主党の地滑り的勝利によって政権交代が実現し、鳩山内閣が出現したとき、多くの人が、50年にわたる自民党支配で閉塞した日本の政治に爽やかな風が吹き込まれ、何かが変わるかもしれないと感じたのは確かであろう。だがそれからわずか9カ月たらず、鳩山内閣は崩壊した。普天間基地問題での「迷走」と「政治とカネ」の問題で支持率が急落し、7月の参議院選挙での勝利が絶望的になったからだとされている。希望をかきたてた鳩山の首相としての最後は惨憺たるものであった。・・・つづきはこちらで!